現地へ行かないと本当の事はわからない。
ボランティアはまだまだ足りない。
2ヶ月目の石巻の状況をこうちあきおさんのFACEBOOKよりシェアせさて頂きます。
石巻に関する2ヶ月目での現地状況をまとめてみました。
これで全てではないですが、思いつくままに書いたものを皆さんと共有します。
インフラ回復
・湊地区、渡波地区など、地盤が80センチ沈下したエリアでは、地中のものは壊滅しています。
・電柱を立てるなど、幹線道路沿いには電線が来ましたが、まずは順次避難所に通電させており、地域内に配電するまでには至りません。大型施設では漏電の心配もあり、新たに引き回すしか無い状況です。
・水道管の破損は激しく、未だ復旧の見込すらたっていません。
物資ニーズ
・半袖の夏物衣料はこれから必要ですが、現地に大量にある衣料は冬物ばかり。ジャージは喜ばれています。女性下着もブラなどは当初から来ていません。
・虫も多くなってきてます。瓦礫に混ざった魚の死骸に蛆も湧いています。蚊取り線香や殺虫剤が必要です。
・今後、仮設住宅や自宅二階に住む方が多くなる中で、鍋、炊飯器、食器などの生活用品など台所用品は求められています。生活消耗品、衛生品は常に必要です。
・石巻は都市ガスでした。今でもカセットボンベは重要な燃料源です。
食事ニーズ
・自炊したくても食材を買う必要があるので、皆さん家族の晩ご飯分も鍋にもらうなど、今でも炊き出しに頼っています。しかし炊き出しも夏の衛生面を考え、もうじき停止命令が出て、通常の保健所申請管理に移りそうです。米や野菜などを安定提供できるといいです。
雇用ニーズ
・被災地では会社ごと流され、全く雇用や会社再建のあてが無いので、貯金を崩す暮らしを続けなくてはならず、先行き不安もありお金を使えません。
・漁師たちは昨年の収入で今年をしのぎ、今年の収入が無くなったので、来年の生活費も昨年の収入をあてにしなくてはなりません。再び漁具を揃えるためにも多額の投資が必要です。
・全ての根本的な問題解決は、雇用創出です。それまでは、物資の配給、炊き出しはまだまだ必要です。
・2兆円でハコモノつくるんじゃなくって、ボランティアがやっている瓦礫や泥の撤去や、炊き出し、物資搬送等を、被災者雇用してもらいたいです。今、もらう事じゃなくて、働く事を皆さん求めています。働いてその対価としていくらでもいいからお金をもらう。これを求めています。人間の尊厳として。
地域商業
・しかし、物や食事を配り続ける限り、地域の商店が再開しても、お店の売上を上げることはできません。ここに大きな矛盾が生じています。
・物資の配給停止と、地域商業の再建と、雇用の創出は、同時に進まなくてはなりません。
自立支援
・ODAなど途上国支援と同じ状況が被災地にあります。物や食事を配るだけでは生活再建しません。配給に頼るだけでは、人間もおかしくなってしまいます。奪い合いだって起こります。いかに自立していくかです。
・地域の婦人会を繋ぎ直して、被災者が自分たちで炊き出しできるように、鍋・釜・燃料・食材を提供しながら支援したり、物資が安く得られたり交換できる自由市場を開設するなど、被災者が自分たちで行なえる仕組みや場を整える事が必要でしょう。
コミュニティ再建
・そのためにも、コミュニティの再建が必須です。町内のキイマンが亡くなられたり疎開されるなど、バラバラになったコミュニティを繋ぎ直す必要があります。
・東北は神社が多く、祭と暮らしが密接です。地域の神社の祭を復活させる事で、地域の絆が取り戻されると思います。
ボランティア
・何をするにも、まずは早急に瓦礫を撤去し、側溝をさらい、床下のヘドロをかき出さなくては始まりません。様々な腐敗も進み、粉塵はまい続け、衛生環境も悪化しています。
・行政による緊急雇用で重機作業も少しづつ進んでいますが、遅々としたものです。頼りだった自衛隊の撤退も始まりました。
・神戸の時に比べても、圧倒的にボランティアの数が足りません。ボランティアの人手は連休以降、グンと減りました。
・仕事をしている人間は、休日や有給を使い、1〜2日ボランティアするのが精一杯です。現在の長期滞在ボランティアの大半は、フリーターや学生、リタイアした人です。
・企業によるCSR活動として、ボランティア休暇制度を活用した、継続的なボランティア派遣が求められます。そして特定のプロジェクトや役割を責任を持って担う方法も考えられます。例えば自治労は全国から継続的なボランティア派遣して、避難所の管理や市役所業務を支援しています。
地域経済の崩壊と、グローバル経済
・被災地の商業再建は困難です。そもそも地元雇用が無く、被災者自身がお金を使えないからです。
・被災者が出稼ぎに行く話しや、疎開先の親戚の家の近くの学校に子供を転入させたという話しを最近よく耳にします。地域を再建する事無く、地域社会から働き手や子供たちがどんどん離れて行き、残るのは年金で暮らせる老人ばかりになるかもしれません。
・被災を免れた郊外の大型店舗は営業再開しており、買い物はそれら国道沿いのチェーン店に頼らざるを得ません。つまり、平野部は全て津波被災地となった市街地で長年営まれてきた、地域の家族経営や小さなビジネスが壊滅し再建のメドが立たない中で、郊外出店のグローバルビジネスのチェーン店のみ生き残り一人勝ちしていく状況が見えてきます。
・TPPによる活性化などもささやかれる中、地域経済が壊滅する危機が迫っているように感じます。
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